公募株式投信(除くETF)、3.7%増の159兆円=5カ月連続で増加し、過去最高を更新-9月の投信概況
2025年10月15日 10時00分

投資信託協会がまとめた2025年9月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比3.7%増の159兆9926億円だった。5カ月連続で増加し、過去最高を更新した。国内外の株式市場が堅調で運用益が増加した。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比3.6%増の276兆8189億円となった。こちらも5カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
月間の新規設定は28本、償還は58本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比30本減少して、5776本になった。
◆28カ月連続で資金流入超=公募株式投信(除くETF)
公募株式投信(除くETF)の資金増減額は、1兆2554億円の純資金流入となった。流入超過は28カ月連続。今年4月以来、5カ月ぶりに1兆円を超えた。少額投資非課税制度(NISA)を通じて、個人投資家の資金流入が続いている。
一方、運用増減額は、国内外の株価上昇を受けて、プラス4兆7476億円だった。9月末は、日経平均株価が前月末比5.2%、NYダウが同1.9%、それぞれ上昇した。月末の円相場は1ドル=148円88銭となり、前月末(同146円92銭)と比べて、円安に振れた。


◆「設定」「解約・償還」とも、過去1年間平均を上回る
公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は3兆9788億円と、過去1年間の平均(3兆3864億円)を上回った。
一方、「解約・償還」は2兆7234億円で、過去1年の平均(2兆3205億円)を上回った。
◆「海外株」「内外株」「資産複合」、前月を上回る資金流入額
主要な商品分類別に資金増減額を見ると、「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」は、いずれも前月を上回る資金流入額だった。
一方、「国内株式型」は、337億円の流出と5カ月連続で流出超となったものの、流出額は2カ月連続で前月より減少した。
◆個人金融資産に占める投資信託、6.27%に拡大


日銀のまとめによると、日本の個人金融資産に占める投資信託の割合は2025年6月末で6.27%(2024年末は6.10%)に拡大した。
◆新政権に「資産運用立国」の推進を期待
松下浩一投資信託協会会長は、新政権に期待する施策について、「引き続き『資産運用立国』を推進していただきたい。少額投資非課税制度(NISA)が、強いインパクトで国民の意識の中に浸透しているので、大きな流れは変わらないと期待している」と述べた。