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日本資産運用基盤、コモンズ投信にホワイトレーベルサービス=新設ファンドにミドル・バック機能を提供-大手運用会社で初

2025年10月10日 10時00分

ストラクチャー図(クリックで表示)

 日本資産運用基盤の子会社であるJAMPファンド・マネジメント(東京、大原啓一社長)は、独立系の大手運用会社コモンズ投信(東京、伊井哲朗社長)に、日本版ファンド・マネジメント・カンパニー機能を活用した投信ホワイトレーベルサービスを提供し、新規ファンドの組成・運営を支援すると発表した。

 コモンズ投信が12月に設定する、同社初の海外株式に投資するアクティブ運用の公募投資で実施する。投信ビジネスで実績を持つ大手運用会社が、投信ホワイトレーベルサービスを利用するのは、初めて。

 コモンズ投信は投資判断や運用に専念し、JAMPファンド・マネジメントはファンドの設定・運営管理といったミドル・バック機能を提供する。資産運用ビジネスで先行する欧米諸国では、資産運用会社とファンド・マネジメント・カンパニーと呼ばれる専門事業者が、こうした分業体制を構築している。

 さらに今回のストラクチャーでは、「私募投資信託を間に挟む『マスター・フィーダー構造』として運用の一元化を図るとともに、フィーダーレイヤーで多様なファンドの設定を可能にする。また、『マスターレイヤー』において、ファミリーファンド形式にすることにより、『マスターレイヤー』での私募投信の追加設定など事業の拡張性、柔軟性を保持することができる」という

 コモンズ投資は2007年11月の創業。日本株式に投資するアクティブ運用の「コモンズ30ファンド」をはじめとして、運用資産残高は約1257億円(25年9月末)と、独立系の大手運用会社だ。

 伊井社長は、投信ホワイトレーベルサービスを利用する狙いについて「当社はオペレーション負担を大幅に軽減し、お客さまへの付加価値提供に直結する投資運用業務に集中することが可能になった」と指摘。

 「将来の機関投資家向け私募投信への拡張についても、その実現に向けた最適なスキームをご提案いただいた。当社にとって新たなチャレンジを実現することができた」(伊井社長)とコメントしている。

 また大原社長は、今回の取り組みについて「自社単独で投信ビジネスを完結することができ、十分な実績がある運用会社が、自社の強みが発揮できる高付加価値業務に注力し、事業生産性を高めるために当社のソリューションを使った点が新しいところだ」と指摘。

 「今後、日本の資産運用業界においても、アセットマネジメントとファンドマネジメントの分離が進むことを予想している。今回の案件は、その第1歩であり、日本の資産運用業界の方向性を指し示す象徴的案件だと考えている」(大原社長)と話している。

 

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