サンプル(過去記事より)
空売り増える
ビヨンド・ミート<BYND>の値動きはこの1週間非常に荒く、ネット情報の拡散に個人投資家が反応する「ミーム株」として期待する向きもある。このセクターで大幅値上がりしたのはビヨンドだけではないが、最近の値動きはよりファンダメンタルな要因で説明できるものもある。
ビヨンド株は28日午後遅くには1.9%高の145.25ドルで取引されたが、一時は過去5日間で約35%上げる水準を付けた。年初来では15%近く上昇している。
今回の動きは、投資家でテレビパーソナリティーを務めるジム・クレイマー氏が25日、CNBCの番組「マッド・マネー」で、米国人が完全にレストランに戻ってきた際には、ビヨンド株の見通しが劇的に改善しそうだと発言したことがきっかけになった。クレイマー氏はまた、SNSの「レディット(ニュース記事などの人気投稿サイト)」を見て定番のゲームストップ<GME>やAMCエンターテインメント・ホールディングス<AMC>以外の銘柄を探している人は、ビヨンド株にも目を向けるべきだと述べた。
ビヨンド株は、1月下旬にショートスクイーズ(踏み上げ)が膨らんだ銘柄の一つだ。浮動株(不特定多数の間で取引可能な株式)の4分の1以上が空売りされており、このポジションは増加を続けている。
レディットでは、クレイマー氏のアドバイスを真に受けた人もいれば、ゲームストップやAMCから個人投資家の資金を移動させるための策略だと批判する人もいる。
AMCが2倍超に上げるなど、両銘柄にとっても変動が激しいながらも素晴らしい週であったことは確かだ。ベッド・バス・アンド・ビヨンド<BBBY>、ブラックベリー<BB>などショートが大きく膨らみ個人投資家に人気がある銘柄は、過去5日で2桁の上昇を記録した。
バーンスタイン、評価を2段階引き上げ
値が大きく動いたのは株価だけではない。ビットコインはまるでジェットコースターで、いわゆるミーム取引が再び熱を帯びてきたことを示している。あるいは、メモリアルデーの連休を控えて市場が比較的静かだったことで、これらの銘柄が再び脚光を浴びたのかもしれない。
とはいえ、ビヨンド株を動かすニュースもあった。24日にはバーンスタインのアナリスト、アレクシア・ハワード氏が投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」に一気に2段階引き上げた。26日には、ビヨンドが「ケンタッキーフライドチキン」を運営するKFC中国との提携を拡大し、植物性のスパイシービーフ巻きを限定発売すると発表した。
28日にはクレディ・スイスのアナリスト、ロバート・モスコウ氏が、ビヨンド株の投資判断を「中立」に据え置いた。同氏は、急成長する代替肉市場におけるビヨンドの競争力を高く評価する一方で、株価を左右する多くの要素が提携するファストフード企業の動向にかかっているとして、様子見だという。