サンプル(過去記事より)
ARKウッド氏「テスラ株3000ドル」
完全自動運転、2025年実現の確率50%
年平均50%上昇するか
ARKインベストの創設者でテスラ<TSLA>強気派のキャシー・ウッド氏が2025年にテスラ株が3000ドルに到達するとの新たな予想を明らかにした。
同社株の19日終値は654.87ドルで、1年に平均約50%上げる計算だ。経営陣に対する株式オプションなどを含む発行済み株式総数をベースにすると時価総額は約3兆6000億ドルになる。米国で時価総額第1位のアップル<AAPL>は現在、約2兆ドルだが、テスラに抜かれないためには株価が年に平均約30%上昇する必要がある。
ウッド氏は2018年にテスラ株の目標株価を800ドルに設定したが、株価は当時70ドルで、アグレッシブな目標だった。しかし、2021年初めには800ドルを突破。2018年初めからの1年間の平均上昇率は100%を超えた。目覚ましい上げだ。
目標株価の大幅な引き上げは、自動運転タクシー事業の潜在性が高いことが理由のようだ。
ARKの調査レポートは「ARKは従来のバリュエーションモデルでテスラが2024年までの5年間に完全自動運転を実現する可能性を30%と想定していた」「今は2025年までの可能性を50%と予想している」と述べた。
自動運転によるロボタクシー運営により、テスラの利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)が1600億ドル上積みされる見込みだという。過去1年間のEBITDAは約48億ドルだった。
テスラ経営陣は、予見可能な将来に台数ベースで年50%の伸びを目標としている。
年初来7%安、1月の高値から27%下落
本誌は先にウッド氏の新たなテスラの目標株価について2300ドルと推測した。ファンダメンタルズに基づいたものではなく、ウッド氏が本誌のジャック・ヒュー氏に対し、株購入の条件としている15%のリターン率を大幅に上回ると語ったことを参考にした。本誌は1年のリターンが約30%ならば15%を大幅に上回ると考えたが、低かった。
テスラ株は最近、障害に突き当たっている。金利上昇による打撃はテスラのような高グロース株の方がその他の株に比べ深刻だ。第1に金利が上がると、成長のための資金調達コストが増える。第2に高グロース企業のキャッシュフローの大半はかなり先になってから発生する。現在、債券利回りが上昇しており、これと比較すると、将来のキャッシュの魅力が薄れる。
10年物米国債の利回りはこの数週間のうちに約0.5%上昇し、1.7%を突破した。
テスラ株は年初来約7%安で、S&P500指数やダウ工業株30種平均のリターンを下回っている。また1月に付けた52週高値を約27%下回る。当時10年物利回りは約1.1%だった。