サンプル(過去記事より)
2019/12/17 08:04
ドイツ工場承認の報も、材料ではない
EPA時事
テスラ<TSLA>株は週明け16日、一時6.5%超上げ、52週の最高値を更新したが、問題はウォール街では誰も、理由を明確に知らないということだ。
ある自動車業界アナリストは本誌に対し、米連邦税の電気自動車(EV)控除が2020年には縮小するにもかかわらず、テスラ株の動きは「驚き」と打ち明けた。
ドイツ銀行のアナリスト、エマニュエル・ロズナー氏は16日の調査報告で、テスラのドイツ新工場が承認されたと同国で報じられたと指摘した。良いニュースではあるが、株価を動かすものではない。誰も同国での工場建設に問題があるとみていない。同社は生産拠点をカリフォルニア州フレモントから、上海や欧州に拡大している。
大量のショート、「玉締め」可能性はらむ
テスラについてはもちろん、大量のショートがある。弱気派の投資家は相場下落を見込んで、株を借りて、それを売る。ショートが比較的に高水準だと、株のボラティリティがより高くなる可能性がある。投資家が同時にショートの買い戻しに殺到すると、常に「玉締め」の可能性があり、一時的に買い注文が膨れ上がる。
投資家が理由について納得できなくても、影響については納得できるだろう。テスラ株の上伸は目覚ましい。16日は52週安値の19年6月3日の終値178.97ドルからは110%超上げたことになる。
過去1年間の上昇率は14%と、S&P500指数やダウ工業株30種平均の上昇率を若干下回るが、この3カ月の伸びは57%。
第3四半期の決算が予想を上回ったことが、最近の株価上昇を促進した。