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株価急落から守ってくれそうな配当貴族銘柄

These Dividend Aristocrats’ Stocks Can Protect You From the Market Selloff

アッヴィ、コカ・コーラ、キンバリー・クラーク

今年は成長株をアウトパフォーム

Justin Sullivan/Getty Images

最近の株価急落を乗り切る場所をお探しだろうか。市場の上下動を何十年も乗り切ってきた実績のある企業は、その答えかもしれない。

25年以上連続で配当を出し、なおかつそれを増額している企業、いわゆる「「配当貴族」は、今年これまでのところ成長株をアウトパフォームしていると、ウルフ・リサーチのアナリスト、クリス・セニェック氏は25日に指摘した。

不安定な相場が続いた場合、その理由がトランプ米政権の貿易戦争、弱い経済指標のどちらであっても、配当貴族はアウトパフォームし続ける可能性がある。2025年に入って上昇した後でさえ、これらの銘柄は依然、過小評価されており、株価収益率(PER)は市場全体を下回っていると、セニェック氏はメモで述べた。

セニェック氏は「われわれのお気に入りのディフェンシブな配当戦略、配当貴族は、景気が減速あるいは後退している環境下では投資家が『隠れる』のに適した場所だ」としている。

長期にわたって配当を支払っている企業に投資家が賭ける最も簡単な方法は、プロシェアーズS&P配当貴族ETF(上場投資信託)<NOBL>などのETFを通じた投資だ。同ETFの年初来のリターンが2.1%なのに対し、S&P500指数のリターンはマイナス1.6%だ。成長株はもっと悪く、マイナス4.1%となっている。

プロシェアーズS&P配当貴族ETFの好成績は、組み入れ比率が最も高い医薬品企業アッヴィ<ABBV>のような銘柄に投資しているおかげだ。アッヴィの株価は、比較的新しい免疫疾患治療薬の幾つかの売り上げが好調だったとの発表を受けて、年初来で14%上昇している。

同ETFのポートフォリオの約23%を占める生活必需品株も、大きな役割を果たしている。S&P500指数では、生活必需品株の構成割合は8%だ。年初来で11%上昇しているコカ・コーラ<KO>、同5%上昇しているキンバリー・クラーク<KMB>も、同ETFへの組み入れ比率が上位の銘柄だ。

PERはまだ魅力的

上昇しているにもかかわらず、配当貴族はまだS&P500指数よりも割安だとセニェック氏は指摘する。同氏の調査によれば、これら銘柄のPERは、市場全体の0.92倍にとどまっており、同氏は「歴史的に見て魅力的な水準」と評している。

セニェック氏のデータによると、実際、配当貴族は2019年以降、市場全体より割安な水準でおおむね推移してきているが、2013年から2019年にかけては割高な水準で取引された。

配当貴族に注目している投資家は、少なくとも一つの短所を認識しておくべきだ。これらの優良銘柄は、よりリスクの高い銘柄が低迷しているときにはパフォーマンスが良くなることがあるが、長期的に見れば、リスクのより低い銘柄への投資は、リターンも低い傾向がある。

過去10年間では、プロシェアーズS&P配当貴族ETFのリターンは9.5%と好成績だが、S&P500指数のリターン12.6%を大きく下回っている。

 

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