サンプル(過去記事より)
米景気は加速、S&P500は6%高に
ゴールドマン・サックス・グループは、貿易をめぐる緊張緩和や消費の強さ継続で、米国の経済成長が2020年に加速すると予想する。米国株チーフ・ストラテジストのデービッド・コスティン氏はS&P500指数が約6 %上昇し、3400に達するとみている。
同氏は最近のレポートで、こうした環境下、バリュー株が特に恩恵を受けると分析する。「短期、中期投資で、グロース対バリューのパフォーマンスの要はマクロ経済環境であり、この環境が投資家のリスク選好に影響を及ぼす」と書いた。
投資家は、楽観的な際には、循環性が高く、成長が緩慢、もしくは最近下げた銘柄を選好する。そうした類の株は、大抵はバリュー銘柄に見いだせる。
コスティン氏は、理由があって安く、そのままあるべき株もあれば、先行きが不透明で、明確になるまで投資家に敬遠される銘柄もあると指摘。投資リスク調整後のリターンが最も高いと見込まれる株に注目するよう勧める。
シャープレシオと呼ばれるこの指標は、ノーベル経済学賞受賞のウィリアム・シャープ氏が考案した。
予想リターンが同じ二つの株があった場合、リターンの不安定さが少ない方は、シャープレシオが高く、より魅力的な投資対象となる。基本、10%のリターンが得られるものの、大きく変動する可能性がある株より、高い確率で10%のリターンが得られる株の方が買われるということだ。
ダイアモンドバックが最高、GM、UALも
ゴールドマンは高シャープレシオの銘柄を選ぶのに際し、ウォール街アナリストの12カ月目標株価の予想平均を予想リターン(分子)とし、オプション価格から算定した6カ月予想変動率を分母とした。
コスティン氏によると、ゴールドマンの高シャープレシオ銘柄は過去20年、S&P500指数を1年間当たり6%近く上回った。過去数年は、より幅広いバリュー株で構成するグループを上回るパフォーマンスだという。
ゴールドマンの高シャープレシオ銘柄リストでは、ダイアモンドバック・エナジー<FANG>が1.2と最も高い。リターンは42%、予想変動率34%。このほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、ゼネラル・モーターズ<GM>、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス<UAL>、コムキャスト<CMCSA>などが掲載されている。