公募株式投信(除くETF)、1.1%増の142兆円=5カ月連続で増加、過去最高を更新-1月の投信概況
2025年02月17日 07時00分

投資信託協会がまとめた2025年1月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比1.1%増の142兆4148億円となり、5カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比0.5%増の247兆2328億円となり、こちらは2カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
月間の新規設定ファンド本数は20本、償還本数は33本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比13本減少して、5763本になった。
◆純資金流入額、18年ぶり過去最高で2兆円台に

1月の公募株式投信(除くETF)の資金増減額はプラス2兆1212億円で、20カ月連続で流入超となった。2007年3月の1兆8886億円以来、約18年ぶりに過去最高を更新した。新年を迎え、今年の「成長投資枠」の利用が可能になり、少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人投資家の購入が加速した。
一方、1月の運用増減額はマイナス3033億円だった。1月末は、日経平均株価が前月末比0.8%低下した。また、月末の円相場は1ドル=154円43銭と、前月末(同158円18銭)に比べて円高に振れた。こうした中、1月末のNYダウは前月末比4.7%上昇した。
1月の公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は4兆5723億円となり、過去最高だった昨年7月(4兆5998億円)に次ぐ水準だった。一方、「解約・償還」は2兆4510億円で、2024年の解約・償還平均(2兆3863億円)の水準にとどまった。
◆商品別では「海外株式型」が過去最高の1.3兆円の流入超


主な商品分類別に資金増減額を見ると、「国内株式型」が2カ月ぶりに流入超に転じ、「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」は引き続き流入超だった。このうち、「海外株式型」は1兆3558億円の流入超で、昨年7月(1兆1174億円)を超えて過去最大になった。
松下浩一会長は、プライベート(未上場)資産などオルタナティブ(株式や債券以外の代替資産)に投資する公募投信が登場していることについて「おそらく、こうしたファンドは今後増えていくだろう。公募投信の販売動向を見ると、指数に連動するインデックスファンドの人気が高まっているが、運用各社はファンドマネジャーが運用を指示するアクティブファンドに力を入れている。協会としては、規則を改正するなど、対応を進めている」と述べた。