長期のマーケット見通しを持つことが重要=日本株の成長トレンドは不変-フィデリティ投信の鹿島副社長ら
2026年03月19日 08時00分
(出所)フィデリティ投信(クリックで表示) フィデリティ投信は、日本株メディアセミナーを開催した。鹿島美由紀副社長 運用本部長は、中東情勢の緊迫化でマーケットが不安定になっていることについて、「投資家の皆さんは毎日、心配になると思うが、こうした時こそ、長期のマーケット見通しを持つことが重要だ。マーケットの長期のトレンドは何十年も続くものなので、これを押さえるかどうかが、投資の成功を左右する」とアドバイスし、日本株の全体観を説明した。
また、ディレクター・オブ・リサーチの王子田賢史氏は「日本株の中長期の成長トレンドは不変だ。短期的な株価調整局面は、長期視点の買入の好機になるだろう」と述べた。主なポイントは以下の通り。
◆GDPが拡大に転じ、企業が変わった
-日本株のトレンドは
(鹿島氏)鹿島氏 日本株は、1990年代のバブル崩壊以降、一時7000円台まで下落する局面があったが、2012年のアベノミクス以降、政策転換によってGDPが縮小から拡大へと転じたことで、大きく上昇してきた。さらに、2023年に東証が「資本コストを意識した経営」を呼びかけたことで、企業が大きく変化し始めた。
-日本株市場の注目点は
鹿島氏 マクロ経済では、マイルドなインフレが続く中で、賃金が継続して上昇し、企業が設備投資を続けることが重要だ。こうした中で、企業業績はEPS(一株当たり純利益)が成長し、原油価格が落ち着きを取り戻す中でさらなる成長が期待される。
また、企業改革が進み資本効率が改善することで、日本企業がより魅力的な投資先として存在し続けるだろう。株式市場の需給を見ると、海外投資家の資金が入ってきており、国内外の投資家の買入余地は大きいと見ている。
1月に「下請法」が改正され「中小受託取引適正化法(取適法)」として新たに施行された。これにより、中小企業においても適切な価格転嫁が進み、賃上げの動きが広がれば、日本経済全体の底上げにつながると期待している。
◆デフレから脱却で、経済の正常化が進展
-日本株の長期トレンドは
(王子田氏)王子田氏 デフレからの脱却が、大きな転換点になった。名目GDPの拡大とともに、日本株は堅調に推移してきた。
日本企業の状況を見ると、1980年代には「三つの過剰」と言われたが、今は、設備・人・負債が不足しており、日本経済がデフレからインフレへと転換する要因になっている。企業の設備投資を回復したことで、経済が回り出した。
日本企業の予想EPSは、米国企業を上回っており、経常利益率も上昇傾向だ。コスト削減などで筋肉質な企業体質になっていたところに、物の値段が上がり、売上高が増えることで、利益率が改善している。
企業改革については、2023年の東証の呼びかけを受けて、「資本コストを意識した経営」が浸透してきており、日本企業全体でみても「ROE10%の壁」を、そう遠くない将来に打ち破ることができると予想している。
日本株は、株価上昇ともに、企業業績も力強い伸びを見せているのでバリュエーションがあまり上がっていない。日米で比較すると、日本株の割安感が際立っている。
世界株の代表的な指数である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」について国別の構成比を見ると、米国株は2010年に4割程度だったものが、2026年には6割程度に上昇している。
世界の運用会社や機関投資家は、米国株以外への分散投資を意識するようになっており、日本株はその受け皿の一つになり得るだろう。「貯蓄から投資へ」の流れが動きだし、家計金融資産に占める株式・投資信託の割合が上昇していることも、追い風になるだろう。
日本株の中長期成長トレンドは不変と考えており、短期的な株価調整局面は、長期視点の買入の好機になるだろう。



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