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サンプル(過去記事より)

ボーイング株はレンジ内

Think Boeing Stock Looks Bad Now? Wait Until It Drops Below This Price

320ドルに注目

昨年12月の市場暴落時には逸脱

AFP時事

ボーイング<BA>をめぐる重大ニュースが毎日のように出るが、株価が320ドルを大きく下回ったら要注意だ。

17日はもう少しでそうなっていた。ボーイング株は週明け16日、新型旅客機737MAXの生産停止計画の報を受けて4.3%下落。17日には同社が報道を認める一方で、サウスウエスト航空<LUV>が737MAXの運航停止を4月13日まで見合わせたため、再び下げる見込みだった。

しかし、ボーイング株は17日、2%安の320.61ドルを底に引き締まり、変わらずの327.00ドルで引けた。これは意外ではない。同社株は明らかにレンジ内で取引されており、私のようなテクニカルの素人でもわかる。そのレンジは2018年1月以来、ほぼ2年間続いている。

レンジを逸脱したのは、18年12月の市場暴落の時だ。ボーイング株は終値ベースで294.16ドルまで下げた。また、19年1月に市場が反発し始めると、ボーイング株も反発し、3月には440.62ドルまで上げた。その後、(エチオピア航空の)737MAXが墜落し、株価はレンジ内に戻った。

737MAXの生産停止の報にもかかわらず、多くのウォール街のアナリストは懸念していない。バーティカル・リサーチのアナリスト、ロバート・スタラード氏は「投資家は737(MAX)の生産停止をマイナスとみているが、目先、運航再開の見込みがないままに、在庫を積み上げ続けるよりはましだ」と指摘。「MAX関連で(株価が)350ドル未満に下げた時に買うのは年間を通し有効だった。われわれはこの戦術を堅持している」と述べた。

しかし、MAX問題で、ボーイングのフリーキャッシュフロー(FCF)に圧力がかかっているもようで、株価をレンジから逸脱させる十分な材料になる可能性がある。ベアードのアナリスト、ピーター・アーメント氏は「FCFの見通しがより良く理解されれば、ボーイング株に圧力がかかるが、それまで株価はレンジ内にとどまる見込みだ」と書いた。「FCFの利回りが8~10%の水準だと、目先、ボーイング株が300ドル未満に沈む可能性もある」という。

誰が正しいか。市場に判断をゆだねつつ、320ドルの水準を注視しよう。

 

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