サンプル(過去記事より)

アップルの売り上げ未達、一時的問題

Apple Warned About Damage From the Coronavirus. Analysts Say It’s Just a Blip

下げは3%未満

年内に埋め合わせできる

Photograph by Justin Sullivan/Getty Images

アップル<AAPL>は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で1~3月期の売上高が従来の予想に達しないとの見通しを明らかにした。世界的なiPhone(アイフォーン)不足をもたらすサプライチェーンの問題、および中国国内での売り上げ減少による、需要面での問題も抱えるが、連休明け18日のアップル株の下げ幅は3%未満にとどまった。

アナリストは概して、これは一時的な落ち込みに過ぎず、年内にほぼ埋め合わされるとみている。この問題による影響が長引くとの懸念がほとんどないようだ。

アップルは2019年10~12月期決算発表で、2020年1~3月期の売上高予想を630億ドルから670億ドルと、通常より広いレンジで示した。新型ウイルスの影響が不透明だったためだが、現在では、当時の想定より影響が深刻なものになった。アップルは新たな予想を発表していないが、ウォール街では600億ドル程度かこれを下回ると見込んでいる。

問題は二つある。コントラクターの生産再開が予想していた以上に遅く、アイフォーンの供給が不足する結果、「世界全体の収入に一時的に影響する」こと。また中国での需要に影響が出ていることだ。アップルは「中国では、すべての直営店および、多くの提携店が営業を停止している」「開いている店舗でも、営業時間を短縮している」と述べた。中国以外については「これまで製品やサービスへの需要は強く、(従来の)予想に沿っている」とした。

ウォール街のアップル弱気派アナリスト数人のうちの1人、アトランティック・エクイティーズのジェームズ・コードウェル氏は「アンダーウエート」の投資判断を維持。今回のニュースはアップルの長期的な中国依存を説明するものではあるが、業績に及ぼす短期的な影響については懸念していないと述べた。

同氏はアップルの第2四半期の業績予想を下方修正する一方で、第3四半期については上方修正。通年の1株当たり利益予想を1%だけ減らした。「COVID-19による問題は明らかに一時的なものだが、より重要なのは、アップルのハードウエアに偏重したビジネスが内在するリスクを思い出させるものであるということで、株価の(収益に対する)倍率が依然行き過ぎているようにみえる」と述べた。同氏のアップルの目標株価は275ドル。

18日早い段階のアップルの株価は2.5%安の316.96ドル。年初来では依然、8%プラス。

中国へのエクスポージャー高過ぎ

コードウェル氏はアップルの1~3月期の収入を601億ドル、1株当たり利益を2.66ドルと、従来の659億ドル、3.09ドルからそれぞれ引き下げた。中国でのハードウエアの売り上げが50%減少し、中国以外でのアイフォーンの売り上げが7.5%減、中国のAppストアの収入30%増と想定した。4~6月期の予想については、収入630億ドル、1株当たり利益2.78ドルと、従来の603億ドル、2.61ドルからそれぞれ引き上げた。

シティのジム・スバ氏は1~3月期の収入予想を約80億ドル引き下げ、573億ドルとした。引き下げの半分は中国での売り上げ減少が理由。残りはアイフォーンの供給問題で、世界の売り上げが減るため。1株当たり利益は3ドルから2.37ドルに下方修正した。ただ「買い」の投資判断および、目標株価375ドルは維持した。

バークレイズのアナリスト、ティム・ロング氏はアップル株を「イコールウエート」としているが、目標株価を304ドルから297ドルに修正した。今回の発表は、事業根本の長期的変化というよりは、アップルの中国とのつながりを思い出させるものだとみている。「一時的なイベントとみられるだろうが、(関税に次ぐ)新たな中国問題は、中国でのサプライチェーンのエクスポージャーが高すぎるというアップルが内在するリスクを際立たせた」「アイフォーンのビジネスにリスクがあり、秋に発表される5Gアイフォーンの需要については依然懐疑的だ」と書いた。1~3月期の収入予想を627億ドルから590億ドルに下方修正、1株当たり利益の予想を2.94ドルから2.77ドルに下げた。

昨年1月とは違う

ドイツ銀行のジェリエル・オング氏はアップル株については慎重だが、2019年1月の業績見通し修正時のような大きな転換点とはみていないと語った。「今回の下方修正は、大半がアップルのコントロール可能な範囲外であるため、投資家はより寛容であるようだ」と述べた。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏は熱心なアップルの強気派だが、見方を変えていない。「このショッキングなニュースや、サプライチェーンに及ぶ影響を考慮すると、反射的にマイナス方向に反応するだろうが、これは長期的な世界のアイフォーンの需給問題というよりは、タイミングの問題で、われわれの長期的な強気説を変えるものではない」「ウォール街では、アイフォーンの(需給)問題による影響や4~6月期の反動を評価することが焦点になるが、われわれは5Gの長期的なスーパーサイクル論に基づき、アップルについて強気を維持する」と書いた。同氏は「アウトパフォーム」の投資判断、目標株価400ドルをいずれも据え置いた。

レイモンド・ジェームズのアナリスト、クリス・カソ氏は「マーケット・アウトパフォーム」の投資判断を維持。収入見通しの下方修正を理由に弱気になることはないとみている。調査ノートで「アップルの製造提携先がフル稼働に戻れるようになり、中国の小売り店舗が通常の営業に戻れば、ほぼすべての生産や需要が(目減り分を)取り戻せる見込みだ」「夏までに生産が通常に戻るのなら、5Gアイフォーンのサイクルに影響はない。これがアップル株に強気である第1の理由であるため、主張に変更はない」と書いた。

パイパー・サンドラーズのマイケル・J・オルソン氏は、18日にアップル株価が下がった時点では買いの好機になると語った。「これは一時的な状況で、この先の四半期にほぼ影響はない」「実際、当期にアイフォーンの供給が抑えられても、それ以降に需要が積み上げられる。2020年度内は、アイフォーンの需要(中国以外)は強いようで、アイフォーン以外(特にウエアラブル端末)は引き続き堅調。5Gアイフォーンへの期待も高まっている」と書いた。投資判断を「オーバーウエート」、目標株価を343ドルに据え置いた。