業界初、「公開R&Dプロジェクト」を開始=個人投資家の声で運用力・開発力・発信力を強化-三菱UFJアセットマネジメント
2026年07月15日 06時30分

三菱UFJアセットマネジメントは、特定の運用手法の研究開発(R&D)過程を公開する業界初のプロジェクト「ファンド研究所」を開始した。直販サービス「mattoco+」を利用する個人投資家に「R&Dファンド」の情報を発信し、双方向の対話を通じて運用や商品性を継続的に検証する。カスタマー・コミュニケーション部 直販・アライアンスグループ グループマネジャーの俣野裕貴氏に話を聞いた。
◆情報発信と対話
-プロジェクトの概要は
俣野氏 「R&Dファンド」とは、金融庁に有価証券届出書を提出し、シードマネー(自己資金)で運用するファンドだ。運用状況等を外部に公開することはなく、社内で運用実績を積み上げることが一般的だ。
公開R&Dプロジェクト「ファンド研究所」では、「R&Dファンド」の運用戦略や運用プロセスなどを、全ての投資家に情報発信するとともに、直販サービス「mattoco+」を利用する個人投資家と双方向の対話を行うことで、当社の運用力や商品開発力、情報発信力を強化することを目指す。
◆R&Dにお客さまの声
-プロジェクトの背景は
俣野氏 「投資家が何を求めているのか」を直接確認できる場が必要だと考えた。「R&Dファンド」は通常、社内で3~5年程度運用してトラックレコードを作る。ただ、設定当初はお客さまに訴求できると考えた運用戦略やテーマであっても、市場環境やトレンドの変化によって、時代にフィットしなくなることも起こり得る。
大部分のファンドは、銀行・証券会社経由で販売されるため、運用会社が個人投資家の声を直接確認する機会は限られる。ただ、当社は、直販チャンネル「mattoco+」を運営しているので、これを生かせば、お客さまと対話しながらR&Dを進めることができると考えた。
当社は、インデックスファンドでは、公募株式投信(除くETF)の「eMAXIS Slim」シリーズを運用するなど、一定の認知度を獲得している。一方、アクティブファンドについては、優秀なファンドマネジャーをそろえ、魅力的な運用戦略がたくさんあるのだが、その魅力をどのようにお客さまにアピールするかが、課題になっている。
◆投資判断の背景やプロセスなど
-情報発信の内容は
俣野氏 現在は、月次レポートや運用報告書を通じて、パフォーマンスや組入銘柄の状況など「結果の開示」が中心になっている。
「ファンド研究所」ではもう少し踏み込んで、「投資判断の背景」や「結論に至るまでのプロセス」、「判断材料」などを発信して、ファンドマネジャーの考え方を伝えていきたいと考えている。
◆顧客本位のマーケティングを重視
-個人投資家の声の重要性は
俣野氏 新規設定するファンドは、当社として「ベストなもの」と考えている。しかし、お客さまの目線で見ると、ベストとならないこともある。私たちの考え方をお客さまに情報発信して、お客さまからフィードバックをいただける機会は貴重だ。
当社は、お客さまの声を起点とする、顧客本位のマーケティングを重視してきた。例えば、カスタマー・コミュニケーション部の別のチームでは、個人投資家を対象としたブロガーミーティングを定期的に開催してお客さまの声を集め、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)愛称:オルカン」などの商品につなげてきた。
「ファンド研究所」では、「mattoco+」を通じて、お客さまとの対話を深め、当社の運用力、開発力、情報発信力を強化したい。
◆動画形式のセミナーも開催
-具体的な取り組みは

俣野氏 6月30日に「ファンド研究所」のトップサイトを立ち上げた。その中で随時、発信する情報を増やしていく。
第1号の「R&Dファンド」の公開はこれからだが、宇宙をテーマにしたファンドを予定している。有価証券届出書の提出などを行った上で公開する。
具体的には、運用戦略を紹介するランディングページを設けて、運用のポイントや主な投資対象、ファンドマネジャーの紹介などを掲載する予定だ。運用が始まった後は、パフォーマンスを公開し、お客さまの意見を投稿できるサイトをオープンさせる。
さらに運用に関するコンテンツをSNSで公開したり、動画形式のセミナーを開催したりすることを計画している。ファンドマネジャーに登場してもらい、運用のポイントや裏話を発信したい。
お客さまには、ファンドマネジャーとの対話や情報発信を通じて投資信託への理解を深めていただきたい。そして最終的には、当社の運用や取り組みに共感いただき、当社のファンになっていただければうれしい。



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