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ファイアウオール規制

用語説明
2021年06月21日 09時00分
EPA=時事
EPA=時事

 銀行と証券の業務を切り離す「防火壁」を意味する規制。日本では1993年に導入された。段階的に緩和されてきたが、銀行が持つ顧客の非公開情報を使って同じグループの証券会社が営業することなどを防ぐため、グループ内の銀証間での情報共有を禁じている。

 銀証分離の考え方は、1930年代の米国で誕生。財務の悪化した融資先に証券子会社を通じて証券を発行させ、貸付金の返済に充てさせたことが問題になっていた。欧州ではもともと規制がなく、米国でも緩和が進み、今では日本特有の規制となっている。現行でも顧客の事前同意があれば情報共有は可能。

 ファイアウオール規制の緩和を検討していた金融審議会(首相の諮問機関)は2021年6月、同一グループの銀行・証券による顧客情報の共有制限を緩和する案を大筋で了承。2021年度内に実施される見通しになった。上場企業の情報に限り、事前同意の手続きを事実上廃止する。