軽微基準と重要基準
重要事実の項目には、合併や業務提携、事業の休廃止など様々なものがありますが、こうした項目に該当する情報のすべてが重要事実に当たるのかというとそうではありません。例えば、上場会社が100%子会社を吸収合併する場合、確かに上場会社そのものの資産規模や売上規模は大きくなるかもしれません。しかし、もともとその上場会社は100%子会社の実質的な意思決定を掌握していることから、形式的に子会社を統合しただけとも言え、投資判断にはあまり影響を及ぼしません。こうした投資判断への影響を考慮し、程度問題を数値的に示したのが軽微基準と重要基準です。
軽微基準は、会社自らが決定した決定事実、会社の意思によらず発生した発生事実に設けられている基準で、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」によって、投資判断に及ぼす影響が軽微なものとして重要事実から除外できる基準を定めています。主として、上場会社の売上に与える影響(売上基準)と資産に与える影響(資産基準)などで判断されますが、各項目によってその基準は様々です。
一方、決算情報に関する重要事実については、投資判断に与える影響が重要なものとして重要事実に該当する基準(重要基準)を定めています。具体的には売上高や経常利益、純利益、剰余金の配当額に対する変動率等の基準を明示しています。