重要事実とは
「重要事実」とは、投資判断に著しい影響を及ぼす会社情報をいい、インサイダー取引規制では、この「重要事実」を知りながら公表前に売買することを原則禁止しています。
重要事実には、合併や業務提携、解散など会社自らが決定した『決定事実』、資源の発見や取引先との取引停止、主要株主の異動などその会社の意思によらずに発生した『発生事実』、会社の決算や業績予想に関する『決算情報』、このほか「会社の運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの」として『バスケット条項』があり、それぞれ金融商品取引法でその細目が示されています。
ただ、合併や業務提携に関する情報のすべてが「重要事実」というわけではありません。片っ端から「重要事実」ということにしてしまうと、企業価値向上のための自社株買いまでもインサイダー取引になりかねず、企業本来の経済活動に支障をきたす恐れがあります。そこで、必要に応じて各項目には「軽微基準」や「重要基準」という基準が設けられています。
言い換えると、より投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性の高いものを「重要事実」とするように配慮がなされているのです。