公開買付け [関連法令] [軽微基準]

概要

 公開買付けとは、第三者もしくは株式等の発行会社が不特定多数の株主に対して、買付期間や買付株数、買付価格等を告知(公告)することによって金融商品取引所外で株式等の買付けを行うことをいいます。時事通信社の重要事実情報では、買付者が発行会社自身である場合は、重要事実項目の「自己株式の取得」として分類しています。

 一般的に公開買付けは、市場価格よりも一般投資家にとって有利な条件で買い付けるため、株価の上昇が期待されます。当然、投資判断に著しい影響を及ぼすためインサイダー取引規制の対象情報なのですが、他の重要事実は自らの情報で自らの株価に影響を与えるのに対し、公開買付けは自らの情報で相手企業の株価に影響を与えることになります。このため、公開買付けについては、「公開買付け等事実」(金商法167条)として「重要事実」(金商法166条)とは条文が分けられています。

 また、公開買付けに準ずる行為とされる「買集め行為」も同様に投資判断への影響が大きいとされることから、「公開買付け」の項目に分類されます。買集め行為とは、買付対象企業の総議決権の5%以上の株式を買い集める行為をいい、各年においては総議決権の2.5%以上を買い集める場合が「公開買付け等事実」となります。

  一般のインサイダー取引規制 公開買付けに関するインサイダー取引規制
条文 金融商品取引法166条 金融商品取引法167条
インサイダー 会社関係者等 公開買付者等関係者
公表の主体 当該会社 公開買付者等関係者
対象事実 重要事実 公開買付け等事実

軽微基準

・買集め行為により各年において買い集める株券等の数が議決権比率で2.5%未満であること。