固定資産の譲渡又は取得 [関連法令] [軽微基準]
概要
製品の需要拡大を見込んで新工場を建設したり、事業規模縮小に伴って所有している本社ビルを手放したりといった場合などがこの項目に該当します。これら固定資産の譲渡や取得は、企業の資産構成を大きく変える可能性があることから、投資判断にも影響します。もちろん、譲渡や取得する際の固定資産の規模によって、その影響度も異なるため、譲渡する場合は帳簿価額、取得する場合は取得価額が純資産額に対して30%以上なら重要事実となります。
また、固定資産には会計上の資産と税法上の資産とがあり、ここでは法人税法及び法人税法施行令で定められている資産と限定されています(別表参照)。
【別表】
① | 土地(土地の上に存する権利を含む) | ||
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② | (1) | 建物及びその附属設備(暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属する設備をいう) | |
(2) | 構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう) | ||
(3) | 機械及び装置 | ||
(4) | 船舶 | ||
(5) | 航空機 | ||
(6) | 車両及び運搬具 | ||
(7) | 工具、器具及び備品(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む) | ||
(8) | イ | 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む) | |
ロ | 漁業権(入漁権を含む) | ||
ハ | ダム使用権 | ||
ニ | 水利権 | ||
ホ | 特許権 | ||
ヘ | 実用新案権 | ||
ト | 意匠権 | ||
チ | 商標権 | ||
リ | ソフトウエア | ||
ヌ | 育成者権 | ||
ル | 営業権 | ||
ヲ | 専用側線利用権 (鉄道事業法第2条第1項に規定する鉄道事業又は軌道法第1条第1項に規定する軌道を敷設して行う運輸事業を営む者に対して鉄道又は軌道の敷設に要する費用を負担し、その鉄道又は軌道を専用する権利をいう) |
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ワ | 鉄道軌道連絡通行施設利用権 (鉄道事業者等が、他の鉄道事業者等、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構又は国若しくは地方公共団体に対して当該他の鉄道事業者等、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構若しくは独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の鉄道若しくは軌道との連絡に必要な橋、地下道その他の施設又は鉄道若しくは軌道の敷設に必要な施設を設けるために要する費用を負担し、これらの施設を利用する権利をいう) |
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カ | 電気ガス供給施設利用権 (電気事業法第2条第1項第1号に規定する一般電気事業若しくは同項第5号に規定する特定電気事業又はガス事業法第2条第1項に規定する一般ガス事業若しくは同条第3項に規定する簡易ガス事業を営む者に対して電気又はガスの供給施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して電気又はガスの供給を受ける権利をいう) |
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ヨ | 熱供給施設利用権 (熱供給事業法第2条第3項に規定する熱供給事業者に対して同条第4項に規定する熱供給施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して同条第1項に規定する熱供給を受ける権利をいう) |
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タ | 水道施設利用権 (水道法第3条第5項に規定する水道事業者に対して水道施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して水の供給を受ける権利をいう) |
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レ | 工業用水道施設利用権 (工業用水道事業法第2条第5項に規定する工業用水道事業者に対して工業用水道施設を設けるために要する費用を負担し、その施設を利用して工業用水の供給を受ける権利をいう) |
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ソ | 電気通信施設利用権 (電気通信事業法第9条に規定する電気通信回線設備を設置する同法第2条第5号に規定する電気通信事業者に対して同条第4号に規定する電気通信事業の用に供する同条第1項第2号に規定する電気通信設備の設置に要する費用を負担し、その設備を利用して同条第3号に規定する電気通信役務の提供を受ける権利をいう) |
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(9) | イ | 牛、馬、豚、綿羊及びやぎ | |
ロ | かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹、なし樹、桃樹、桜桃樹、びわ樹、くり樹、梅樹、かき樹、あんず樹、すもも樹、いちじく樹、キウイフルーツ樹、ブルーベリー樹及びパイナップル | ||
ハ | 茶樹、オリーブ樹、つばき樹、桑樹、こりやなぎ、みつまた、こうぞ、もう宗竹、アスパラガス、ラミー、まおらん及びホップ | ||
③ | 電話加入権 | ||
④ | ①~③に掲げる資産に準ずるもの |
軽微基準
固定資産を譲渡する場合 |
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・譲渡する固定資産の簿価が最近事業年度末の純資産額の30%未満であること。 |
固定資産を取得する場合 |
・固定資産の取得価額が最近事業年度末の純資産額の30%未満であること。 |