インサイダー取引事件の裏には、必ず“重要事実”あり。では、いったい重要事実って何なの?時事通信社が、適時開示情報の中から峻別、提供している「重要事実情報」について解説します。

時事通信社の『重要事実情報』とは

 近年、国際化や情報化の進展に伴い、上場企業を取り巻く環境は急速に変化しています。このため、日々の企業活動が複雑化し、投資家への情報開示も膨大かつ多様になりました。東京証券取引所などの金融商品取引所では、上場企業に対して投資家への適時開示(タイムリーディスクロージャー)を求めていますが、TDnet(適時開示情報閲覧サービス)で開示される資料の数は1日に数百件、1年間で数万件もの情報が開示されているのが現状です。

 一方、証券取引等監視委員会は、内部情報を利用した不公正取引であるインサイダー取引規制の強化を目的に、平成17年4月に規制の実効性確保のための新たな手段として課徴金制度を導入しました。規制にあたっては、金融商品取引法等で定められている「投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす重要事実」が公表された銘柄かどうかを踏まえ、同委員会が取引の審査を実施しています。

 時事通信社では、TDnetで日々開示される膨大な資料を対象に、この中から重要事実に該当する情報を抽出した『重要事実情報』を提供しています。