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LIBOR廃止

用語説明
2020年10月23日 09時00分
AFP=時事
AFP=時事

 世界の金融取引の指標として幅広く利用されるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の公表が停止される。欧米金融機関などによる不正操作が2012年に発覚したのを契機に、各機関の申告に基づく算出手法のもろさなどを露呈。英金融当局は2021年末以降の公表を強制しないと表明し、事実上廃止の流れが固まった。

 関連取引の契約総額は全世界で推計約220兆ドル(約2京3000兆円=2014年)に上る。指標がなくなると支払金利を計算できず金融市場が混乱する恐れがあるため、各国は代替指標の選定を進めている。日本では日銀を事務局とする検討委員会が5種類の代替金利を提案。金融機関などに早急な切り替え作業を求めている。

 LIBOR。一般の人には聞き慣れない言葉だろうが、「ライボー」と読む。世界中の金利の「物差し」となる極めて重要な指標だ。金融機関の不正がきっかけで廃止になるが、その影響は極めて大きい。この問題については2020年1月の時事通信金融懇話会で、日銀の雨宮正佳副総裁が丁寧に解説している。